AIによる顧客対応への期待と不安:3か国3,000人調査

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有人対応の選択肢とAIへの信頼

問い合わせ窓口にAIを導入するとき、企業は「どこまで自動で答えられるか」を考えます。利用する側は、答えが見つからなかったときにどうなるかも気にしています。海外の新しい調査は、この違いを数字で示しています。

米Five9が10月14日に公表した「2026 Consumer CX Report」では、AIが問題を解決してくれると信頼する人の割合は、人に連絡できる選択肢がある場合で55%、ない場合で26%でした。差は29ポイント。公表値を割ると約2.1倍です。ただし、これは回答された信頼の違いであり、実際の解決率が2.1倍になったという結果ではありません。

調査はHanover Researchと共同で、2026年4月にオンラインで実施。米国、英国、ドイツに住む18歳以上の3,000人が対象で、指定された業界の顧客サービスを利用した経験が参加条件です。ベンダーが公表した、募集パネルの自己申告に基づく調査です。日本の消費者の割合や、実際の窓口変更の効果を示すものではありません。

AIの利用件数と利用者の評価

同じ調査では、相手がAIだと知らされることを「とても重要」または「極めて重要」とした人が71%いました。[1] 誰が応対しているのかが分かり、必要なら別の相談先を選べる。その前提が、AIを試してみる安心感に関係していると考えられます。

ここで気をつけたいのは、AIの対応件数が増えたという報告だけで、利用者が満足していると判断しないことです。ほかの窓口が見つからず使った人も、途中で解決を諦めた人も、集計方法によっては「AIを利用した人」に含まれます。

例えば、返品の相談で、利用者が知りたいのは規約の文章だけとは限りません。届いた品物が破損している、自分の注文が例外に当たる、といった事情があります。一般的な説明を読んでも判断できないとき、人への相談方法が見つからなければ、便利さを感じにくくなります。

AIの回答を改善する作業と並べて、利用者が「この方法では解決しない」と感じた後の動きを確かめる必要があります。

有人対応への切り替え手順

見直しは、大がかりなシステム変更から始めなくても構いません。まず自社の窓口をスマートフォンで開き、AIだと分かる案内があるか、担当者への相談方法を迷わず見つけられるかを確認します。社内の事情を知っている担当者ではなく、初めて使う人の目線で試すのがよいでしょう。

人が対応できる時間が限られているなら、その時間と、時間外に相談を残す方法を示します。「担当者に相談する」という表示だけあっても、結局どこにもつながらなければ期待を裏切ります。

引き継ぎ時には、相談内容、すでに試したこと、まだ解決していない点を担当者が確認できるかを点検します。ただし、必要以上の個人情報を引き継ぐ設計にはせず、相談の解決に必要な範囲を決めておくことが重要です。

運用の評価では、自動対応で完了した割合に加えて、途中離脱や再問い合わせも確認したいところです。人への切り替えが発生したという理由だけで、失敗と決める必要はありません。利用者が同じ説明を何度もせず、必要な対応にたどり着けたか。そこまで見届けることで、AI窓口の改善点が具体的になります。

データ:公表値3件と計算結果2件のCSVをダウンロード / 検算結果(JSON) / 調査対象と計算方法

参考資料:[1]Five9公式発表(2026年10月14日、調査方法を含む) / Five9による補足解説

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