質問の目的に合った情報
新しいコーヒーメーカーを探している人と、買ったばかりの製品を初めて使う人では、同じ商品について尋ねる場合でも、必要な説明が違います。前者が知りたいのは、本体の大きさや一度に作れる量かもしれません。後者には、使い始める前の準備や操作の順番が役立ちます。
人に相談するときも、売り場で選ぶ相談なのか、自宅で使うための質問なのかを伝えると、話が進みやすくなります。AIに情報を渡すときも、「この資料を全部読んで」と頼む前に、何を知りたいのかを少し絞っておくことが助けになります。
たとえば「製品について教えて」よりも、「台所の置き場所に収まるか、寸法と設置条件を確かめたい」と伝える。目的が決まると、AIに見てほしい部分も選びやすくなります。
回答に必要な条件と資料
情報を選ぶことは、できるだけ短く削ることではありません。使い方を尋ねているのに、操作ボタンの説明だけを渡し、事前の準備や注意点を省いてしまえば、かえって不親切な案内になります。
大切なのは、質問に関係する情報をひとまとまりにすることです。対象の商品名や型番、知りたいこと、使用上の条件がわかる資料をそろえ、関係のない別商品の説明は混ぜない。まずはそのくらいの整理でも、何をもとに答えてほしいかが明確になります。
Anthropicは、AIに与える情報について、目的に役立つものを選ぶ重要性を説明しています。同時に、必要最小限とは単に短いことではなく、期待する対応に十分な情報が必要だとも述べています。資料が多いことだけで安心せず、答えるための条件がそろっているかを見る、という考え方です。
問い合わせ対応で使う参照先
この考え方は、企業がAIに問い合わせ対応を任せる場合にもつながります。扱う商品やサービスが増えるほど、どの資料を使うかを整理することが大切になります。
Zendeskは、AI向けのナレッジを整える際、一つの内容に焦点を合わせ、必要な説明を省かず、重複や矛盾を減らすことを勧めています。また、状況に応じてAIが参照する情報源やその一部を選ぶ仕組みもあります。ただし、参照先を狭めれば必ずよくなるわけではありません。絞りすぎて必要な説明が見つからなくなることにも注意が必要です。
AIに渡す前に、「誰が、何について、何を知りたいのか」を一文で書いてみる。そのうえで、答えに必要な資料と条件をそろえる。質問の目的に合わせて必要な資料と条件をそろえることが、AIを使う前の準備になります。
