AIの価値を尋ねた調査
AIを導入した後、利用件数は増えていても、業務がどう変わったか説明しにくいことがあります。機能を試す段階から、何を達成できれば続けるのかを決めておくと、担当者同士で結果を話し合いやすくなります。
Gartnerが2026年10月19日に公表した調査では、AIから大きな、または変革的な価値を得たと回答したCIOは13%でした。調査は2026年5〜7月に、最高情報責任者(CIO)と技術責任者2,002人を対象に実施されました。
これは回答者が自社の価値を評価した結果です。残りが全員失敗した、利益が全くなかった、という意味ではありません。AIの回答精度や問い合わせの解決率を実測した数字でもなく、日本企業の成功率として置き換えることもできません。
試用を本番へ進める条件
同じ公表資料で、AIの試用を本番へ進めない場合の判断基準を持つとしたCIOは31%でした。導入を前提に試すだけでなく、結果が条件に届かなければ止める選択肢を用意する、という観点です。
例えば、問い合わせ回答の下書きをAIで作るなら、生成した件数だけでなく、担当者の修正時間、案内漏れ、最終回答までに必要な作業を記録します。既存の方法と比べるときは、問い合わせの種類と難しさ、担当者の役割、対象期間をできるだけ揃えます。
自動で送ってよい相談、人が回答を判断する相談、対象外にする相談も分けます。試用中に問題が見つかった場合に、資料を直すのか、対象を狭めるのか、導入を見送るのかを、業務の担当者と決めておくことが大切です。
導入後の継続と見直し
価値の低いAI施策を本番導入後に中止する基準を持つ、と答えたCIOは17%でした。31%とは別の段階の基準を尋ねた割合で、同じ施策の導入前後を追跡した成績ではありません。また、基準を作れば価値が上がるという因果効果を示すものでもありません。
運用が始まった後も、回答の確認や資料の更新、人への引き継ぎには作業が発生します。利用料だけで判断せず、その作業を含めて、何が減り、何が増えたかを見直します。新しい業務を対象に加える際は、以前の評価条件で判断できるかも点検します。
集計では、対象の問い合わせ、期間、未返信や欠損の扱いを揃えます。数字が悪く見えるから除外条件を変えるのではなく、定義を残し、変更した場合は前の値と単純比較しないようにします。件数や返信時間の定義から整理する場合は、問い合わせ分析・レポート設計支援もご覧ください。
情報確認日:2026年10月23日。原調査は「2027 CIO and Technology Executive Agenda」。公表年は2026年で、調査期間は同年5〜7月です。2,002人は調査全体の人数。国・地域別構成、設問別母数、募集・回答方式、重み付けは公表本文に記載がありません。13%・31%・17%は公表値の転記で、自己申告に基づきます。人数への逆算、独自調査、個票分析、複数設問の合算は行っていません。
