職場のログイン管理:9か国1,890人調査から

自然光の入るデスクに置かれたノートパソコンと小さな南京錠

職場で使うログイン方法

ログインの安全対策は、社員への説明に加えて、実際に使う方式と設定の手順まで整える必要があります。自社で選べる方式があっても、登録方法が分からなければ日々の使い方にはつながりません。

YubicoとOktaが2026年10月7日に公表した調査では、仕事の主なログイン方法としてユーザー名とパスワードを使う回答者は43%でした。Talker Researchが7月2〜16日、従業員500人以上の組織で働く技術・セキュリティ分野の1,890人を対象に実施しました。対象は日本を含む9か国です。

これは回答者の自己申告で、日本企業全体の利用率ではありません。また、パスワードに追加の認証を組み合わせる方式もあるため、43%を多要素認証(MFA)の未利用率とは読めません。NISTも、パスワードに加えて別の要素で本人を確かめる仕組みとしてMFAを説明しています。

入社初日の設定と案内

同じ調査で、入社初日にパスワードを渡されたと答えた人は52%でした。入社時の設定を見直す手がかりになる数字ですが、それが後の使い方を引き起こしたと、この割合だけで断定はできません。

自社では、メール、勤怠、顧客管理など、最初に使うサービスを書き出してみましょう。各サービスで利用できる認証方式、登録を支援する担当者、設定を終える時点を決めます。案内メールを送るだけで終えず、本人が実際にログインできるところまで手順に含めます。

特に管理者や顧客情報を扱うアカウントは、権限と認証方法をセットで見直します。NISTは重要な情報や高い権限を守る用途で、フィッシングに強い認証方式を利用できるようにすることを勧めています。製品名だけで選ばず、利用中のサービスが対応する方式から検討します。

紛失と復旧の手順

端末をなくしたときや認証が使えなくなったときに、誰へ連絡し、誰が本人を確かめ、どの担当者が設定を戻すかも決めておきます。通常のログインだけを試して、復旧の窓口を決めていない状態は避けたいところです。

問い合わせを受ける人と設定を変更する人が異なるなら、担当者、確認待ちの内容、次の連絡期限を記録します。パスワードそのものを問い合わせ本文へ書かせる運用にはしません。不在時の引き継ぎや、退職・異動時の権限削除も、同じ業務の流れに組み込みます。

まず一つの部署の入社手順をたどり、設定から復旧まで担当が決まっているかを点検すると始めやすくなります。相談の受付や引き継ぎの抜けは、問い合わせ窓口の運用診断でも整理できます。

情報確認日:2026年10月23日。調査対象の9か国は米国、英国、オーストラリア、インド、日本、シンガポール、フランス、ドイツ、スウェーデン。1,890人は調査全体の人数で、設問別の母数・国別構成・重み付けは公表発表に示されていません。ベンダーが公表した自己申告調査で、独自アンケートや実際の認証設定の監査ではありません。

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